SPCプロジェクトでは、これまでのブログで地方創生や社会問題、高齢化社会の問題について考えて来ました。

SPCプロジェクトが標榜する「デジタル×スローライフ」は、単にインターネットを使って地方でのんびり暮らすと言うものではありません。

SPCプロジェクトでは、これまでのブログで地方創生や社会問題、高齢化社会の問題点について考えて来たとおり、疲弊する地方をどのように活性化していくのかを、デジタルを使ってどのように地方に貢献するのかを考えて実践しています。

高齢化が進んだ日本では、「デジタル×スローライフ」だけでは見えにくい、もっと根底にある地方の創生について取り組んで行く必要があります。

スローライフは人として豊かな生活を取り戻すためにあります。

しかし、それだけで終わるのではなく、地方でスローライフを実現しているのなら、地方創生の問題に取り組まなければならないはずです。

人は人と人との間で生きているわけで、特に地方は古来から人と人とのつながりで生きて来た歴史があります。

人と人とのつながりなくしては、人が孤立するばかりで、本当のスローライフは実現できないからです。

そこに真の意味でのスローライフがあります。

では、地方創生の問題点で、スローライフで何ができるのか、何に貢献できるのかを考えてみたいと思います。

スローライフで伝統工芸に目を向けて地方創生の問題解決に貢献する

前回のブログで伝統工芸の売上が減少し、後継者が不足して産業が衰退していることをお伝えしました。

国は伝統工芸の衰退を食い止めるべく、補助金を始め様々な施策を打っています。

伝統工芸士や事業所も、イベントやワークショップを開いたり、販路拡大に取り組んだりと伝統工芸の再興に懸命に取り組んでいます。

スローライフを目指して都会から移住する人がコロナ禍をきっかけに増えています。

外から移住して来た人だからこそ持つ視点があるので、新しい目で伝統工芸を見ることができます。

それがスローライフに生かせるのです。

伝統工芸の品に新しいアレンジを加えることができるのも、外部の人だったりします。

海外や都会でつちかったセンスで、伝統工芸を現代的なオシャレなショップで販売することができるのも、スローライフで移住して来た人やIターンして来た人たちです。

逆に伝統工芸に興味を持ってその世界に入った人が、好きなことを仕事にしながらスローライフを実現しています。

これも、スローライフと伝統工芸がマッチした良い例です。

制作側の取り組みと、スローライフを実現した人がマッチすれば、化学反応を起こして地方創生につながるのです。

→ 伝統工芸が直面する3つの課題とインターネットを使った3の解決策 

スローライフで空き家問題を解決して地方創生に貢献する

国土交通省の統計では2018年現在で、空き家は全国に846万件あります。

この20年に実に1.5倍です!

これは、地方創生にとって大問題です。

しかし、スローライフを実現するためには、住むところが必要になるので、空き家問題は比較的解決しやすい問題です。

スローライフを実現するために、都会から地方に引っ越して鉄筋コンクリートのマンションに住みたいと思う人はあまりいないのではないでしょうか。

どうせなら小さくても良いから一軒家に住みたいと思うはずです。

スローライフの実現のために、空き家をリフォームして住むスタイルが広がっています。

夫婦、個人で一軒家は無理でも、シェアハウスならスローライフの実現もハードルが低くなります。

シニアの住まいのスタイルとして空き家をシェアハウスにリフォームすれば、高齢化問題の解決にもつながるので、一石二鳥です。

さらに、空き家を民宿に改造することで、働きながらスローライフを実現し、ひいては地域の雇用にも役立つことができるので、地方創生の問題解決に役立ちます。

→ 超高齢化社会・ビッグビジネス到来(シニアの住について)

スローライフで放棄地問題を解決して地方創生の問題解決に貢献する

スローライフで放棄地問題を解決して地方創生の問題解決に貢献する

放棄地問題も空き家問題と同じように、高齢化と少子化で住む人がいなくなったことが原因で起こっています。

放棄地問題は、地方創生にとって大きな問題です。

放棄地には2種類あります。

放棄宅地は空き家問題ともつながっていて、解決する方向は同じです。

もう一つの放棄地は農地です。

一時的に、あるいは半永久的に耕作を放棄した農地もスローライフが問題解決に貢献することができます。

スローライフを実現しようとする人には、環境問題に敏感で、食べ物や飲み水も体に良いものを摂ろうとする傾向があります。

最終的には自分で食べるものは自分で作る方向に進むので、放棄農地の活用につながります。

最近では共同農園として農地の一部を貸し出すところもあるので、ビジネスとしても成り立っています。

週末だけ家庭菜園に都会から家族で旅行を兼ねてやって来るケースもあり、借り主と貸し主の両方にメリットのある仕組みが出来上がっています。

また、自分の果物や野菜を本人に代わって地主に育ててもらって、本人は年に1、2回程度だけやってくるオーナー制度もあります。

空き家を改造した民宿に地元で採れた野菜を提供すれば地産池消につながります

スローライフを実現した人が、放棄農地で作物を育てることで地方創生の問題解決に貢献できることは多いです。

地方創生の問題点にスローライフが貢献できる3つのことのまとめ

◆伝統工芸の問題解決

スローライフで伝統工芸の販売、制作に取り組む。

Iターン、移住の外部の目が新しい動きを作り出す。

伝統工芸の世界からスローライフへの動きもありうる。

◆空き家問題の解決

スローライフで空き家をリフォームする。

空き家をシェアハウスにリフォームする。

空き家を民宿にリフォームして地産池消にも貢献。

◆放棄地問題の解決

スローライフで放棄地で農業、家庭菜園を始める。

貸し農園を開いて一部を貸し出す。

貸し農園でオーナー制度を始める。

作物を民宿に提供して地産池消に貢献する。

以上が、地方創生の問題をいかにしてスローライフで解決するかのまとめです。

スローライフと言えば、のんびりした暮らしを想像してしまいがちですが、それだけで終わらずに地方を活性化させる視点をもって取り組めば、素晴らしい生活を営むことができるのではないでしょうか。

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