前回の記事https://spc-project.com/ichigenkanrikiso/に続き、今回は発展編です。

本日はリフレーミングという概念と役割構造マップを紹介したいと思います。小難しい話と思うかもしれませんが、これを知っておくだけで物事の見え方が変わりとても面白いです。

リフレーミングとは

心理学の言葉で「物事の捉え方を変えて、別の枠組みで捉え直すこと」を言います。
短所や欠点だと捉えていることも、別の枠組みで捉え直すと長所や利点が見つけることができます。

フレームとは観念のことで、リ+フレーム+ingです。固定観念を変えて見るという意味合いです。

たとえば、コップに半分水が入っているときに、「もう半分しかない」「まだ半分もある」とどちらとも捉えることができます。事情としてコップに半分水が入っている。解釈として「もう半分しかない」「まだ半分もある」は自分が選択できる。ということです。

正義の反対は?

例えばあなたが燃費が良いハイブリッドカーに乗っているとして、古くて燃費の悪くなったガソリン車を隣人が乗り続けていたとします。事実としては上記の通りですが、解釈はその人の価値観や経済状況などによって無数にあります。

あなたの価値観での解釈は、初期購入費300万円は高いけど、燃費計算すると5年乗ったら安くなる。そして環境にも優しい。
隣人の価値観では、初期購入費を50万円以下に抑えて、燃費悪くてもローン組まずに生活できて安心。自分一人の環境負荷の影響は少ない。

というそれぞれの正義があるわけです。ここで、お互い価値観がはっきりしている場合はいくら勧めても相容れません。「合計金額を計算すればわかるのに」とか「環境負荷を考えないなんて悪」とか思ってしまいがちです。

正義の反対は悪ではありません。

正義の反対は別の正義です。
自分の枠組みだけで見ていると、そこから外れたことはすべて悪に思えてしまいますが、相手の価値観を尊重して相手視点で考えてみることを職場の各自それぞれが意識することで、職場全体のコミュニケーションが円滑になりトラブルとストレスが減ります。全員が物事を俯瞰的(鳥瞰的)に見る鳥の眼を持つ意識が大事です。

良いことをしていても、相手のニーズと合っていなければ、相手に喜ばれません。これだけ相手のためを思っているのに分かってもらえないと、心の中で争いが起きます。それが間違いのもとで、相手の立場に立って考えないと、どんな良いことも単なる押し付けです。これは自分の役割を俯瞰できていない(=メタ認知不足)ことで発生します。

提供したい価値を、相手が求めている価値はある程度ズレがあるのが普通です。そのズレを別の枠組みで(概念の切り口、視点を変える)捉えなおすことによって解決する取組が、対顧客であればマーケティング、対社員であれば社内体制づくり=経営体制一元管理化の出番となります。

役割構造マップで会社の全体像を視覚化

これが役割構造マップです。特にシステム開発のプロジェクトで使われることが多い構想、設計、実装という概念ですが、すべての業種で規模を問わず活用できます。

①構想
構想とは願望の明確化をする領域です。誰のためになぜしたいのかを言語化をすることからスタートし、理念から方針までを決めます。

②設計
設計とは全体最適化という鳥の眼を持ち俯瞰的に把握して、形がないものを形にしていきます。構想を具現化させるための網羅的な全体像を示すことが求められます。正解が分からない問いに対して、試行錯誤しながら正解を作り出すのが得意な人が向いています。

③実装
実装とは全体最適という設計領域に対して、それぞれの分野の得意な部分で貢献するという立ち位置になります。正解が分かっていることを手順やルールを守って遂行するのが得意な人が向いています。

④仕組み
①~③はどれも仕組みを作る人です。仕組み(商品)になって始めて継続的な利益が出ます。仕組み化できなければずっと自転車操業のままです。いかに良い仕組みを創りだすかということが肝要になります。